企画名

外れ値でみる理学
 

参加教員

教員名 所属 職名
宮路智行 数学・数理解析専攻 准教授
林邦好 京都女子大学データサイエンス学部 准教授
友枝明保 関西大学総合情報学部 教授
 

企画の概要

 外れ値とは標本集団の中で他のデータから著しく外れたデータのことをいう.外れ値を知ることはパターンを知ることであり,データから知識を発見する糸口となれば,創造の源泉にもなるだろう.文脈によっては,時系列データの中でパターンから外れるデータを検知することで,異常検知や変化点検知などとも関連する.このSGでは広い意味での外れ値にまつわる数理的・統計的手法を学び,その発展や応用の可能性について専門分野を横断して議論したい.例えば力学系と数理統計のアプローチの接点から変化の予兆を予測する理論を検討したり,参加学生の背景にある理学の問題・経済・交通流などの実データへの応用を実践したり,そのような試みを通して新たな問題を発見することが考えられる.

実施期間・頻度

隔週または月1回程度の頻度で定期的にセミナーを行う形式を想定している.また,それに加えて夏休みなどは集中して取り組むことも考えられる.詳しくは参加者と相談して決定したい.

説明会資料

4/19(金)のスタディグループ説明会資料はこちら

TA雇用の有無

有り
 

問い合わせ先

miyaji.tomoyuki.4m*kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
 

スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。

 


活動報告

活動目的・内容

 SG2023-12に引き続き,広い意味で外れ値にまつわる数理的および数理統計的手法を学び,その発展や応用の可能性について専門分野を横断して議論することを目的として活動した.月1回程度対面でのセミナーを実施した.各回の内容は下記の通りである:

  • 5月27日 林「データサイエンス入門」
  • 6月24日 宮路・岡本「EWSとOVモデル」
  • 7月22日 竹田「データ同化とOVモデル」
  • 9月30日 下村「ASEPの臨界減速とEWS」
  • 11月11日 久保亘氏(東大)「Predictability of Climate Tipping Focusing on the Integral Variability of the Earth System」
  • 12月9日 林「統計学における時系列解析(基礎編)」


11月11日は,参加学生である竹田の紹介により,久保亘氏(東京大学)に話題提供をしていただいた.その他,後期から隔週1回程度の頻度で学生が集まり,『時系列解析―自己回帰型モデル・状態空間モデル・異常検知―』(島田直希著,共立出版, 2019年)を講読し,Pythonによる時系列解析や異常検知のプログラムの実装を学んだ.
また,11月26日と1月27日に学外の講師を招聘し,MACSセミナーを開催した:

 

 

活動成果・自己評価

 今年度もEWSを中心的なテーマの一つとして取り上げた.OVモデルやASEPへの応用可能性について議論を重ね,継続的な活動を通じてさらなる発展が期待される.また,参加教員である友枝氏の研究室の学生の参加に加え,参加学生の主体的な提案により,学外の研究者によるセミナーを実現した.これにより研究ネットワークが広がったことは,スタディグループの重要な成果の一つである.さらに,隔週で学内メンバーによる活動を開始したことで,スタディグループの継続性を高める上で有効であったと考えられる.今後も,参加学生にとってますます有意義な機会となるよう,活動を継続していきたい.

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SG12報告会スライド資料ダウンロード

SG12報告会ポスターダウンロード

参加メンバー

竹田航太 数学・数理解析専攻 博士3回(D3)以上
松田凌 数学・数理解析専攻 博士3回(D3)以上
下村顕士 物理学・宇宙物理学専攻 博士1回(D1)
岸広登 数学・数理解析専攻 修士1回(M1)
中森聡 数学・数理解析専攻 修士1回(M1)